ある日突然郵便配達員が内容証明を届けにやってきた。

慣れていない方であればドキッとするはずです。

そこで、内容証明が届いたときに、冷静に対処できるように、ある程度の知識を持っておく必要があります。

 

内容証明は、相手側がこちらに何かして欲しい(金銭要求であることが多い)という通知書であり、もしこちら側が誠意ある対応をしなければ、法的手段(訴訟)へ移行するという意思表示というのが殆どです。

訴訟に慣れてない一般の方であれば、「このままだと訴訟を起こされてしまう」とか「そんな金額払えないし、弁護士費用なんて払えない」と焦るはずです。

しかし、このとき冷静に対処することで、必要以上の不利益を被ることは避けれるはずです。

例えば、夫(妻)の不倫した相手に慰謝料を請求する場合など、であれば慰謝料300万円を支払えというような内容が突然書かれてくるわけですが、その時まず考えなければいけないのは?この差出人はなぜこんな通知をしているのか?ということです。

 

内容証明とは、郵便物の差出日付、差出人、あて先、文章の内容を国の特殊会社である日本郵便株式会社が謄本により証明する書類にすぎません。簡単にいうと、ちゃんと手紙は出しかからなという証拠の残る手紙にすぎません。

 

いくら法的手段に移行しますと書かれてあったとはいえ、このような内容証明をすることなしにいきなり法的手段ができるのに、なぜ内容証明を出してきているのか?

あわよくば、相手が驚いて示談に応じてこないか? という駆け引きをしてきている可能性が高いと言えます。

 

また、あくまで相手側の視点からみたストーリーが記載されているに過ぎない為、そこに書かれている内容が真実かどうかというのは、まったく担保されていません。極端な話、私が何の落ち度もないAさんに、いきなり事実無根の内容証明を送り付けることだって出来てしまうわけです。

よって、内容証明を受け取った当方としては、まずその内容をじっくり読んで、書かれている内容は事実なのか?間違いではないのかを考えていく必要があります。

そして、差出人が求めていることは何なのかを把握し、その対処を考えてきます。

 

内容証明を受け取った方は、返信や回答をすることが義務付けられているわけではありません。

よって、そもそも無視ができます。

特に気を付けたいのが、驚いてスグに差出人や相手側の弁護士に電話してしまった為に、余計な発言に誘導されてしまい、後の祭りとなってしまう場合が少なくないということです。相手はコチラがどういうアクションをするかを考えて、内容証明を作成してきています。

心理戦で負けてしまわないように正しい対処をする必要があります。

 

 

 

それでは受取拒否をしたらいいのでは?

内容証明を受け取り拒否することは可能です。しかし、受取拒否をした場合、「相手側が受取を拒否した」という事実が相手に伝わります。そこにあなたが要るが受取を拒否したという証拠が残ります。
内容証明郵便は必ず配達員が手渡しする必要があるため、受取を拒否すると配達できません。また不在だった場合は不在連絡票がはいり、受取人が連絡しない限り再配達はされない可能性が高くなります。よって保管期限がくれば差出人に戻されることになります。
しかし、余程のことがない限り内容証明は受け取った方が良いと考えられます。

裁判になっても構わないのか?裁判は困るのか?

内容証明が届くということは、おそらく受取人に何かを要求(金銭的要求)をしていることが多いと思います。
その時に、裁判になっても構わないのであれば、放置してもよいかもしれませんが、裁判となると受取人にとっても、訴訟にかかる時間的負担、弁護士が必要になればその費用と様々な負担に襲われることになります。
そこで、裁判になるのを防ぎたいのであれば、相手側の要求に回答をしていくことになります。
差出人も、裁判になるのは嫌なケースが殆どですので、話し合いの中で示談交渉をし、少しでも有利な条件で金銭支払いを求めようとしてくるはずです。
このときに、こちら側に弱みがあると、交渉はとても不利になります。(会社や家族に知られたくない等)
差出人が、明らかに「家族にバラすぞ」と書けば脅迫罪が成立する恐れがありますが、通常弁護士等の法律家に依頼して差し出しているので、そのような事はないはずです。
しかし、直接的にはバラすと言わなくても、結果的にバレてしまうような場合はコチラ側の交渉が圧倒的に不利になり相手の要求の呑まざるを得ないかもしれません。
いずれにしても、内容証明を受け取ったら、自分で判断せず一度、弁護士等の法律家に相談することをお勧めします。
そして、こちら側の主張と、示談交渉をする場合の落としどころ(希望)があれば、そのように解決できるような回答書を書いていく必要があります。

書いてある内容が事実でない場合または要求が不当

 

内容証明はあくまで、相手が勝手に作成した書面なので、それが真実ではありません。

明らかに事実でない、又は不当な場合は無視してしまうのも一つの手です。 無視しても訴訟を起こされる可能性はありますが、万一訴訟を起こされたらどうなるというところまで、弁護士等の法律家に相談して押さえておくと安心でしょう。

そもそも事実でない、または不当なのですから、裁判になっても負けないはずです。

場合によっては、内容が真実でない、不当であると記載した回答書を作成し内容証明郵便で返信しても良いでしょう。

不当であるというのは、受取人が感じただけで、相手側からすればその主張に正当性があるケースもありますので、自分からだけの目線でなく相手からの目線でも考える必要があります。また、訴訟になる可能性があるのであれば、相手は証拠をどう提出してくるのかを考える必要があります。

裁判では証拠というものがとても大切になってくるので、証拠がないことを、回答書で認めて自分が不利になるようなことをしないようにしなければいけません。

 

書いてある内容が正当だったとしても

書いてある内容が正当なものだった場合

書いてある内容が正当である場合であても、記載された通りにこちらが動く必要があるかといえばそんな事はありません。

よって、安易に回答はしてはいけません。一度安易に回答してしまうと、それが証拠となり後々不利な方向に進む可能性が高まります。

回答するときであっても、弁護士等の法律家に相談をしてからしたほうがよいでしょう。

書面で回答すれば明らかな証拠となりますが、電話でしたとしても、内容証明を出すような相手であれば録音機を用意している可能性は十分考えられます。安易に連絡をすることは避けた方がよいでしょう。

または録音が取られにくい手段で連絡をするように努めましょう。

 

内容証明を無視するとどうなるか

内容証明を無視すると、された方は失望します。

しかし、失望させたらか勝ちという訳では全くなく、相手側に残された手段は、諦めるか訴訟を起こすしかなくなります。

そして、多くのケースでは訴訟を起こしてくるでしょう。

まれに払ってくれたらラッキーくらいの意味合いで請求してくることも考えられますが、少ないでしょう。

受け取った当人が不当だと思っても、差出人からみたら正当である可能性もあり、その時に訴訟を起こされると負けてしまう可能性は高まります。やはり、無視するよりも、一度弁護士等の法律家に相談するべきでしょう。

また、もし訴訟をおこされ、裁判所から通知が来た場合は、絶対に無視してはいけません。裁判所から届く訴状を無視すれば、相手の主張をすべて認めたことと推定されます。圧倒的に不利な判決になるので注意が必要です。

 

返答する際に注意すること

内容証明を返答する際、その文章が相手に対してどのような効果を生むかを考えに考えて作成する必要があります。

これは、内容証明作成に慣れたプロであっても、その効果が個々の状況に応じてどうなってしまうのかを想定しながら書き上げることになります。また、書き方によっては相手に有利となる証拠をただ与えてしまう事にもなりかねないし、逆に事実であっても証拠がないと判断し認めない供述をすると、後に相手側が証拠を持っていた場合、訴訟で不利に働きます。

やはり一人で悩まず、専門家に相談することをお勧めします。

 

このように内容証明が届いてしまったら、安易に考えず専門家の意見を聞きながら対処することが求められます。

 

当センターでは事実関係をもとに最適な内容証明を作成いたします。

メール相談は無料で受け付けておりますのでお気軽にお問合せください。

当センターは書類作成の代行業ですので、比較的安価に内容証明を作成することができます。

 

なお、示談交渉や裁判に関する代理などはできませんのでご了承ください。